トップ / スイス

チーズフォンデュFondue moitié-moitié レシピ

現地の発音:フォンデュ・モワティエ・モワティエ

種類
主菜
地域
スイス・フリブール州(ロマンディ)
分量
4人分(直径20〜22cmのカクロン1つ)
難しさ
ふつう
公開
卓上バーナーにのせた赤茶色の陶器のカクロンに、なめらかに溶けたチーズフォンデュ。横の木の板に角切りのパン、奥に白ワインのグラス

この記事はAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトのリンクを含みます。

チーズフォンデュは、白ワインで溶かしたチーズを卓上の鍋で温め続け、パンを浸して食べるスイスの料理です。ひとつの鍋を皆で囲むので、家族や友人との集まりの定番になっています。

ここで作るのは、スイス西部のフリブール州で生まれた「モワティエ・モワティエ」です。グリュイエールとヴァシュラン・フリブルジョワという州の2つのチーズを、半分ずつ使います。グリュイエールの力強いうまみと、ヴァシュランのなめらかさが合わさり、パンにとろりとからむ仕上がりになります。

チーズフォンデュとは

フランス語のつづりは「fondue moitié-moitié」です。フォンデュは動詞フォンドル(溶かす)から来た言葉で、「溶けたもの」という意味です。モワティエは「半分」で、「半分・半分」の名のとおり、2つのチーズを同じ量ずつ合わせます。スイスのレシピでは、このチーズのフォンデュを単に「フォンデュ」と書くことがよくあります。

2つのチーズを半分ずつ

グリュイエールは、フリブール州のグリュイエール地方の名をもつ硬いチーズです。ヴァシュラン・フリブルジョワは、フリブール州全域で作られるセミハードのチーズで、生地がしっとりして溶けやすいのが特徴です。どちらもAOP(原産地呼称保護。産地と作り方が規定で決められたチーズ)に登録されています。

グリュイエールとヴァシュラン・フリブルジョワの2つの生産者団体は、2022年、「フォンデュ・モワティエ・モワティエ」の名前をスイスの商標登録簿に図形商標として届け出て、保護したと発表しました。2つのAOPチーズを使わない、またはそれだけを使わない商品にこの名前が使われることが増えたためで、元のレシピはヴァシュランとグリュイエールを50%ずつとしています。

由来には諸説ある

フォンデュの発祥は、フリブール、サヴォワ(フランス)、チューリヒがそれぞれ名乗りを上げていて、はっきりしません。フリブールの観光局は、民族学者イザベル・ラブー=シュールの、フォンデュはグリュイエール地方で発明されたものではなく、ひとりの発明者がいるわけでもない、という見方を紹介しています。

スイスの新聞ル・タンの寄稿によると、古いところでは、ホメロスの『イリアス』に、ワインに山羊のチーズをすりおろして粉を加えた飲み物が出てきます。フォンデュに似てはいますが、同じ料理ではありません。フリブールの観光局とル・タンの寄稿は、ヨーロッパで知られる最初のフォンデュのレシピを、1699年にチューリヒで出版された料理書のものとしています。寄稿によると、スイス国立博物館の学芸員で食の歴史家のフランソワ・ド・カピターニは、これが今のモワティエ・モワティエにほぼ近いとしています。1529年、カッペルで対立していたカトリックとプロテスタントの兵が、一つの鍋のミルクスープを分け合って和解したと伝えられる話もよく引かれますが、この出来事そのものを疑う歴史家もいます。

同じ寄稿によると、モワティエ・モワティエは、20世紀の初めにフランス語圏のスイス(ロマンディ)のほぼ全体に広がりました。ただしフリブールとヴァレーでは古いレシピが残り、フリブールではヴァシュランを水だけで溶かし、じゃがいもを添えるフォンデュが食べられていたとされています。今のフリブールでは、モワティエ・モワティエとヴァシュランだけのフォンデュの両方が食べられています。

国民食になるまで

フリブールの観光局によると、フォンデュはもともと山の上の料理ではなく、チーズを買う余裕のあった平地の裕福な市民の料理でした。2つの世界大戦のあいだに、フォンデュはスイスを象徴する料理と結びつき、スイスのチーズの業界団体も「国民食」として宣伝しました。ル・タンの寄稿は、1950年代にスイス軍がカクロンを備えたことや、1960年代に溶かすだけの製品が売り出されたことも挙げています。

いつ、どう食べるか

フリブールでは、家庭でもレストランでも、家族や友人と囲む料理です。ひとつのカクロン(フォンデュ用の厚手の鍋)を食卓のレショー(卓上のバーナー)にのせ、長いフォークに刺したパンを浸して食べます。皮ごとゆでた小さなじゃがいもを添えることもあります。

チーズフォンデュのレシピ:材料(4人分(直径20〜22cmのカクロン1つ))

準備 20分調理 15分(食卓で温め続ける時間は除く)難しさ ふつう

フォンデュ

  • にんにく(縦半分に切る)1かけ
  • グリュイエール(外皮を除き、粗くすりおろす)(Amazon|楽天)400g
  • ヴァシュラン・フリブルジョワ(外皮を除き、1cm角に切る。日本では手に入りにくく、ないときはグリュイエールを400g増やして合計800gにする(手順の変え方は「手に入りにくい材料の代用」。下のリンクはグリュイエール))(Amazon|楽天)400g
  • コーンスターチ(じゃがいもでんぷん(片栗粉)でもよい)(楽天)12g(大さじ2)
  • 辛口の白ワイン(スイスのシャスラが本場の組み合わせ)350ml
  • キルシュ(さくらんぼの蒸留酒)(楽天)15ml(大さじ1)
  • 黒こしょう(粗挽き)(挽きたてがよい)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4)

つけるもの

  • パン(皮のしっかりした白いパン(バゲットなど)。前日に買ったものがよい)600g

道具

  • カクロン(フォンデュ鍋)(直径20〜22cmの陶器か鋳物ホーローのもの。陶器はIHでは使えない)(楽天)
  • レショー(卓上のフォンデュ用バーナー)と燃料(炎の大きさを調節できるもの。燃料はペースト状のものが扱いやすい)
  • フォンデュフォーク(人数分)
  • チーズおろし(粗目を使う)(Amazon)
  • パン切り包丁(楽天)
  • 木べら(カクロンの底を傷つけないもの)
  • 料理用の温度計(食卓で70〜75℃を保つ目安に。なくても作れる)(Amazon|楽天)

作り方

  1. パンを切る

    パン600gを2〜3cm角に切る。どのひと切れにも皮が残るように切ると、フォークに刺したときに外れにくい。皿かかごに盛っておく。

  2. チーズを用意する

    グリュイエール400gは外皮を除き、チーズおろしの粗目ですりおろす。ヴァシュラン・フリブルジョワ400gは柔らかくておろしにくいので、外皮を除いて1cm角に切る。

  3. カクロンににんにくをこすりつける

    にんにく1かけを縦半分に切り、切り口をカクロンの内側の底と側面にまんべんなくこすりつける。にんにくは取り出しても、そのまま入れておいてもよい。

  4. グリュイエールにでんぷんをまぶす

    カクロンにすりおろしたグリュイエール400gを入れ、コーンスターチ12gを加えて、手か木べらで全体にまぶす。粉が白く固まって残らず、チーズの一片一片にうっすらつけばよい。

  5. ワインを加えて沸騰させる

    白ワイン350mlを注ぎ、弱めの中火にかける。木べらで底から絶えず混ぜながら、6〜10分温める。チーズが溶けてワインと一体になり、とろみがついて、中央からふつふつと泡が上がってくれば沸騰のしるし。泡が上がってから10〜20秒混ぜ続け、でんぷんのとろみをしっかり出す。

  6. 弱火にしてヴァシュランを溶かす

    すぐに弱火に落とす。1cm角のヴァシュラン400gを3〜4回に分けて加え、そのつど木べらで力強く混ぜて溶かす。全部で3〜5分。ここからは沸騰させない。大きな泡が上がってきたら、カクロンを火から外して10秒ほど混ぜ、泡が静まってから火に戻す。なめらかでつやがあり、木べらに厚くからんでゆっくり流れ落ちる濃さになり、表面に油が浮いていなければよい。

  7. キルシュとこしょうを混ぜる

    火を止め、キルシュ15mlと黒こしょう0.5gを加えて、30秒ほど混ぜる。

  8. 食卓のレショーにのせる

    食卓でレショーに火をつけて炎を小さく絞り、カクロンをのせる。フォンデュの温度は70〜75℃が目安で、表面からうっすら湯気が立ち、ふちにときどき小さな泡が出る程度に保つ。煮立ってきたら炎を絞り、重くなって糸を引くようになったら炎をひと回り大きくする。パンをフォークに刺して浸すたびに、底から大きく混ぜる。

  9. 鍋底のチーズを分ける

    食べ進めて残りが少なくなると、底にチーズが焼きついて薄い膜になる。レショーの火を消し、木べらではがして皆で分ける。

飲み物は、料理に使ったのと同じ辛口の白ワインが定番です。フリブールの観光局は、ヴュリー地区のシャスラ(スイスを代表する白ぶどうの品種)を挙げています。ベティ・ボッシのリーフレットは、ヴァレーのフェンダン(シャスラのワイン)、ヴォー州のシャスラ、または紅茶を勧めています。

フォンデュにはワインとキルシュのアルコールが残ります。アイダホ州立大学の管理栄養士の解説では、お酒を入れたソースを沸騰させてすぐ火から下ろした場合、アルコールのおよそ85%が残るとされています。同じ解説が引く米国農務省の表では、15分煮ても40%ほど残ります。子どもや、お酒を控えている人がいるときは、後半の「手に入りにくい材料の代用」にあるワインを使わない作り方で、別の鍋に作ります。

ヴァシュラン・フリブルジョワは、生乳か、軽く加熱しただけの乳で作られます。農林水産省は、妊娠中の人は加熱殺菌していない乳で作ったナチュラルチーズを避けるよう呼びかけています。このレシピではヴァシュランを沸騰させずに溶かすので、妊娠中の人は食べるのを控えます。

カクロンとレショーはとても熱くなります。スイスの防火相談所(BfB)は、レショーを燃えない安定した台に置き、カーテンなど燃えやすいものから1m以上離し、火のついているあいだは目を離さないよう勧めています。燃料は液体よりペースト状のものが安全で、燃え尽きた燃料を温かいレショーに継ぎ足すと、炎が一気に噴き上がることがあります。燃料の交換は、火が消えてレショーが冷めてからにします。小さな子どもの手が届かない、テーブルの中ほどに置きます。

どのチーズを使うか

グリュイエールとヴァシュラン・フリブルジョワ

本場の組み合わせは、グリュイエールAOPとヴァシュラン・フリブルジョワAOPを400gずつです。フリブールの観光局は、それぞれ熟成の違うものを何種類か選ぶことが多いとしています。

チーズの熟成の度合いは、仕上がりに表れます。スイスの公共放送SRFのレシピは、ヴァシュラン以外は若すぎず古すぎない、熟成9か月前後のものがよいとしています。グルメ誌ファルスタッフの記事では、スイスのチーズの専門家ロルフ・ベーラーが、フォンデュが糸を引きすぎてゴムのような口当たりになるのはチーズが若すぎたからだと話しています。フォンデュ用のチーズを売る別のチーズ店の主人は、熟成しすぎたチーズを使うと、溶けたチーズの表面に油の膜ができやすいと注意しています。

ヴァシュラン・フリブルジョワは、生乳か、軽く加熱した乳(テルミゼ)で作られ、9週間から24週間ほど熟成させます。熟成の短いクラシック、長めのエクストラやリュスティックなど、いくつかの種類があります。日本では、チーズ専門店や通販で探します。名前の似たヴァシュラン・モン・ドールは別のチーズなので、取り違えないようにします。

混ぜてあるフォンデュ用チーズ

スイスでは、チーズ店が自分の店で配合したフォンデュ用のチーズを売っています。日本でもフォンデュ用に混ぜたチーズや、溶かすだけの製品が売られていますが、中身はさまざまです。「モワティエ・モワティエ」の名で売られているものでも、スイスの商標のマークがない商品は、2つのAOPチーズを半分ずつ使っているとは限りません。原材料の表示でチーズの名前と割合を確かめます。

料理科学:ワインの酸とでんぷんが、分離と糸引きを防ぐ

チーズを溶かすと分離しやすい理由

チーズは、乳のたんぱく質(カゼイン)の網目に、脂肪と水分が閉じこめられたものです。食品科学者パット・ポロウスキーの解説によると、網目をつないでいるのはカルシウムです。ハロルド・マギーの『マギー キッチンサイエンス』によると、温めるとまず脂肪がやわらかくなり、さらに温度が上がると網目がゆるんでチーズが流れ出します。グリュイエールのような硬めのチーズでは65℃前後です。

ところが、そのまま熱し続けると、たんぱく質どうしが寄り集まってかたまりになり、脂肪がしぼり出されます。チーズだけを鍋で溶かすと、油が浮いたり、ゴムのように固まったりするのはこのためです。フォンデュでは、ワインとでんぷんがこれを防ぎます。

ワインの酒石酸が、カルシウムを抜き取る

白ワインには、酒石酸という酸が含まれています。ポロウスキーの解説によると、フォンデュの酒石酸は、プロセスチーズを作るときに使う乳化塩と同じ働きをします。カルシウムと結びついてカゼインの網目から引き抜き、カゼインの一部を細かくほどくのです。ほどけたカゼインは液体の中に散らばり、脂肪を包みこむので、脂肪が分かれて浮きにくくなります。マギーの本も、酸がカルシウムを抜くことで、カゼインどうしのつながりが弱まり、糸を引きにくくなると説明しています。

ポロウスキーによると、ワインの水分はたんぱく質を薄め、フォンデュをなめらかにします。ベティ・ボッシのリーフレットは、フォンデュがざらついたり水っぽくなったりしたら、レモン汁を加えるよう勧めています。ポロウスキーも、レモン汁のクエン酸がワインの酒石酸と同じように働くとしています。

でんぷんが、溶けたチーズを安定させる

コーンスターチやじゃがいもでんぷんは、ワインの水分を吸ってふくらみ、とろみをつけます。ポロウスキーの解説では、でんぷんが乳化をさらに安定させ、水の部分にとろみをつけるとしています。チューリヒ工科大学(ETH)のパスカル・ベルチュらの2019年の研究は、フォンデュを水が主体のものとみなし、その中に散らばったカゼイン、乳化した脂肪の粒、ふくらんだでんぷんの粒が、とろみを左右するとして調べました。米国化学会のブログの紹介では、均一でほどよく流れるフォンデュにするには、でんぷんが一定の量より多く必要だったとされています。

でんぷんのとろみは、沸騰に近い温度まで温めるとしっかり出ます。グリュイエールの生産者団体のレシピでも、グリュイエールとでんぷん、ワインを先に沸騰させます。でんぷんを先にチーズにまぶしておくと、粉どうしがかたまらず、全体に散らばります。

ヴァシュランは沸騰させない

ヴァシュラン・フリブルジョワは柔らかく溶けやすい一方、強い熱に弱いチーズです。フリブールの観光局によると、ヴァシュランだけのフォンデュは、50℃を超えないように溶かします。ル・タンの寄稿で、ブルの「カフェ・ド・ラ・ガール」のアンリ・ドゥクルーは、チーズが本当に溶けるのはヴァシュランのフォンデュだけで、モワティエ・モワティエではチーズが煮えるのだと話しています。

この記事のレシピでは、グリュイエールの生産者団体のレシピにならい、グリュイエールを沸騰させたあとで弱火に落としてヴァシュランを加えます。ここから沸騰させないことで、ヴァシュランのなめらかさを残します。

食卓では70〜75℃

フリブールの観光局は、食卓でのモワティエ・モワティエの理想の温度を73℃前後とし、溶けたチーズがパンをすっかり包むことを目安に挙げています。レショーの上で糸を引くようになったら火を強め、ただし強く煮立てると焦げたにおいがつくので、強くしすぎないよう勧めています。

ETHの研究では、ワインはフォンデュをゆるくしました。アルコールと酸を別々に加えて試すと、どちらもとろみを弱めたと報告されています。キルシュを最後に加えると、フォンデュはややゆるみます。入れすぎると流れやすくなるので、分量を守ります。

地域による違い

フリブール:ヴァシュランだけのフォンデュ

フリブールでは、ヴァシュラン・フリブルジョワだけを水で溶かすフォンデュも作られます。フリブールの観光局のレシピでは、すりおろしたヴァシュラン800gを水300mlと合わせ、ごく弱い火で20〜30分、絶えず混ぜて溶かします。ワインもでんぷんも使いません。カクロンの下に手を入れてもやけどしないくらいの温度を保ち、クリーム状になったらこしょうをふり、ろうそくの小さなレショーにのせます。モワティエ・モワティエより濃厚でなめらかですが、強い火に弱く、作るのが難しいとされています。ぬるい温度で出し、パンのほか、皮ごとゆでたじゃがいもを浸します。

ル・タンの寄稿は、1743年に、フリブール出身の冒険家グリゼ・ド・フォレル男爵が、ポーランド王アウグスト3世にヴァシュランを水で溶かしたフォンデュを出し、王がレシピを求めたという話を伝えています。

グリュイエールだけのフォンデュ

グリュイエールの生産者団体は、グリュイエールだけ800gを使うフォンデュも紹介しています。熟成の違うグリュイエールを混ぜ、ヴォー州の白ワインとレモン汁で溶かし、キルシュ(入れなくてもよい)、白こしょう、ナツメグ(入れなくてもよい)で仕上げます。

ヌーシャテル、ヴァレー、スイス東部

ル・タンの寄稿は、ワインを使うフォンデュのレシピで知られる最も古いものとして、19世紀後半のヌーシャテルとジュネーヴの2つを挙げています。グリュイエールの生産者団体は、フォンデュ・ヌーシャテロワーズ(ヌーシャテル風)として、グリュイエール600gに熟成した別のチーズ200gを合わせ、ヌーシャテルの白ワインとレモン汁で溶かすレシピを紹介しています。

ヴァレーでは、トマトを加えたフォンデュが食べられています。ル・タンの寄稿で、ヴァレーの料理人ゾルタン・サボは、サクソン村が発祥で、1950〜60年代に広まったとしています。ファルスタッフの記事は、アッペンツェラーを多く使うフォンデュや、白ワインの代わりにりんごの酒を使うスイス東部の形も紹介しています。

手に入りにくい材料の代用

  • ヴァシュラン・フリブルジョワ:手に入らないときは、グリュイエールだけ800gで作れます(上の「グリュイエールだけのフォンデュ」)。溶けたときのなめらかさは控えめになり、味は力強くなります。手順4でグリュイエール800gすべてにコーンスターチをまぶし、手順5で沸騰させたら弱火に落として、手順6は省きます。
  • 白ワイン:スイスのシャスラが手に入らなければ、樽の香りのつかない辛口の白ワインを使います。SRFのレシピは、ワインの酸味が足りないときだけレモン汁を小さじ1(5ml)加えるとしています。
  • ワインを使わない作り方:ベティ・ボッシのリーフレットは、トマトジュースかアルコールを含まないシードル(りんごの発泡酒)を使い、その場合はレモン汁が欠かせないとしています。SRFのレシピは、子ども向けにりんごジュースを挙げています。白ワイン350mlの代わりに、ノンアルコールのシードルかりんごジュース335mlとレモン汁15mlを使い、キルシュは入れません。
  • コーンスターチ:フリブールの観光局は、じゃがいもでんぷん(フェキュール)でもよいとしています。日本の片栗粉は、いまはじゃがいもでんぷんで作られているものが多く、同じ12gで使えます。
  • キルシュ:さくらんぼを発酵させて蒸留した、無色の蒸留酒です。フリブールのレシピでは、入れても入れなくてもよい仕上げの香りです。入れなくても、フォンデュとしては成り立ちます。

失敗したときは

  • 油が浮いて、チーズがぼそぼそと分かれた:温度が上がりすぎたか、でんぷんや酸が足りなかったのが原因です。ベティ・ボッシのリーフレットにならい、コーンスターチ2g(小さじ1)を白ワイン10mlとレモン汁5mlで溶いて加え、混ぜながらもう一度静かに沸かします。
  • 重くなって糸を引く:温度が下がっていることが多いです。レショーの炎をひと回り大きくし、底から混ぜます。チーズが若すぎても、糸を引いてゴムのような口当たりになります。
  • さらさらしすぎて、パンにからまない:ワインかキルシュが多すぎるか、でんぷんのとろみが出きっていません。手順5で、泡が上がるまでしっかり沸かします。ゆるいときは、コーンスターチ2g(小さじ1)を白ワイン10mlで溶いて加え、混ぜながら沸かし直します。
  • 底が焦げつく:レショーの火が強すぎるか、混ぜ方が足りません。炎を絞り、パンを浸すたびに底から混ぜます。SRFのレシピも、食卓では沸騰させず、底からよく混ぜるよう勧めています。

保存

できたてを食卓で温めながら食べる料理です。前もって準備しておくことはできます。

  • 前日の準備:ベティ・ボッシのリーフレットは、前日にでんぷんをワインに溶き、チーズを加えてよく混ぜ、ふたをして冷蔵しておく方法を紹介しています。この記事の手順に合わせるなら、ワイン350mlにコーンスターチ12gを溶いてグリュイエール400gを混ぜ、ヴァシュラン400gは切って別に包み、どちらも冷蔵します。当日はにんにくをこすりつけたカクロンにグリュイエールの方を移し、底に沈んだでんぷんを混ぜ戻してから手順5から始めます
  • 鍋底に残ったチーズの膜:フランス語圏ではルリジューズ(修道女)と呼ばれ、はがして食べるのが楽しみのひとつです。ファルスタッフの記事でロルフ・ベーラーは、底のチーズに卵を割り入れてから火を止めてはがす食べ方を紹介しています

もっと知りたい人へ

  • ハロルド・マギー『マギー キッチンサイエンス』酸がカルシウムを抜いてチーズのたんぱく質をほどくしくみや、でんぷんでソースを安定させるしくみなど、チーズを溶かす料理科学の定番Amazonで見る楽天で見る

出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。